新シリーズ 学芸員が一緒に歩いて説明してくれているような遺跡散策ガイドブックです。
海運の発達や豊富な木材を背景に軍需工場が多かった愛知・名古屋。
時が経つにつれ当時の建物や遺跡・遺物は姿を消していってしまっていますが、まだまだ沢山の戦争遺跡が残っています。
本書は多数の地図、写真、イラストや年表を使用して学芸員がわかりやすく各遺跡を説明し、大きな日本史の流れの中でどのような役割を果たしたかが解説されています。また、普段あまり日の当らない石碑や石造物も収録し当時の日常の様子がうかがえます。
※本シリーズの刊行は不定期です。
戦争遺跡とは
第一章 名古屋の戦争遺跡
1 名古屋城に駐屯した軍隊
2 日清戦役第一軍戦死者記念碑
3 名古屋の航空機製造
4 名古屋の地上防空部隊
5 防空緑地を計画する
6 焦土と化した名古屋
第二章 愛知の戦争遺跡
1 知多半島から始まった軍事演習
2 うみの飛行場
3 巨大化する名古屋陸軍造兵廠
4 疎開工場の構築
5 移築された建物・今と昔
6 軍都豊橋
7 陸軍第一技術研究所伊良湖試験場
8 豊川海軍工廠
9 海軍航空基地
10 豊橋・岡崎の戦災空襲
11 本土決戦準備
第三章 近代国家と国民
1 誓いの御柱(五箇条の御誓文)
2 軍人勅諭
3 凱旋門と凱旋記念門
4 奉納兵器
5 楠木正成・正行像
6 「八紘一宇」の碑
7 戦地の軍人を気遣う
8 武運長久を祈る日参団
9 令旨塔
10 乃木希典と東郷平八郎の像
11 代替梵鐘
12 慰霊の像
13 飛行機事故
14 軍馬の慰霊
15 日中友好の礎
近代史年表
1961 年生まれ。奈良大学文学部文化財学科卒業。現在、名古屋市教育委員会事務局生涯学習部文化財保護室 学芸員。おもな著作に『戦史考古学研究』No.1~8(単著 自費出版2003~2013)、『ソ満国境関東軍要塞遺跡群の研究』(共著 六一書房2001)、『愛知の戦争遺跡ガイド 改訂増補版』(共著 あいち・平和のための戦争展実行委員会2002)、『しらべる戦争遺跡の事典』(共著 柏書房2002)、『愛知県史 別編 文化財1 建造物・史跡』(共著 愛知県2008)、『フィールドワーク 豊川海軍工廠』(共著 平和文化2015)がある。
上記内容は本書刊行時のものです。